株式会社倉橋 京漆芸彩色|山科区東野

山科区東野にある『株式会社倉橋 京漆芸彩色』様にお邪魔しました!

倉橋様は大学卒業後、半導体事業の会社に就職し営業職をされていました。

一般的に電子部品は新しいものができると、古いものは使われなくなることが多くみられます。

その使われなくなった部品が捨てられていくのを見て違和感を感じたそうで、会社を退社し家業である伝統工芸の仕事を継ぐことを決心されました。

株式会社倉橋様のこだわりは、木や貝殻の粉(胡粉)などの自然の素材を使用していることです。

化学塗料を使うと長期間もたないことに対し、漆は昔から木を保持するために使われているので長持ちします。

結果として他に比べて、品質の高い製品となるため末永く使用することが出来ます。

このような伝統工芸は繊細で責任感のある仕事なので、時代の場面を作り次世代に受け継がれています。

 

制作の流れ

〈常花〉

常花とは、蓮の花を模した造花のことで、「永遠に咲き続ける花」「枯れない花」としての意味合いがあります。

仕様は、職人さんが木材を一つ一つ丁寧に手彫りし、動物の骨などから作られる膠(にかわ)という接着剤と胡粉を混ぜたものを下地に使い、砥石やペーパーで研ぎ、漆を塗った後に金箔を貼る『金箔仕上げ』や

下地をきれいに研いだ後に岩石に色がついている“岩絵の具”という素材を使い色をつける『極彩色仕上げ』などがあり、色が変色しないように天然の材料が使われています。

常花は、お寺で仏様の両横に置くため、極楽浄土をイメージして丁寧に荘厳されているそうです。

生花だと枯れてしまいますが、常花は長期間変わらず保っていられるので、昔ながらの方法で現代も引き継がれています。

寺院用で製造している所は全国的にも少なく、京都ではこちらの工房だけだそうです。

 

〈仏像修復〉

仏像の修復は、『寄木造り』という技法で行います。

年月が経つと木の継ぎ目から割れてくるので、そこに漆を吸わせ固めていくことで木の縮みが無くなっていきます。

製造工程は、麻布を漆で貼り、研の粉(とのこ)や胡粉を混ぜペーストしたものを塗って、下地づくりをしていきます。

次に石を使って研ぎ、研ぎあがったら漆を塗る。
※埃がつかないように光を当てながら塗って研いでを繰り返します。

最後に上塗りをしていきます。

基本的に仏様の色は金色が多いですが、この仏様は漆で仕上がります。

こちらの仏様は、痛いところを撫でると治ると言われており、お寺に来たお客様が触ることにより色が剥げたり変色してくるため、漆を厚めに塗っているそうです。

 

下記の写真は、漆を壁面パネルに使用した一例です。

この仕事の後継者が少なく継ぐ人が減ってきていますが、何十年、何百年も前のものが今でも使われているので、自分の作ったものが残ることは魅力的だと仰っていました。

皆様もお寺に行かれた際は、ぜひ常花や仏様に注目してみてください。

 

詳細

店名:株式会社倉橋 京漆芸彩色
ホームページ:京漆芸彩色 株式会社倉橋 (jouka.net)
所在地:〒607-8152 京都府京都市山科区東野八代48-33
電話番号:075-595-8470
事業内容:京仏具 常花 製造修復 漆芸彩色

 

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